不動産を売却し、譲渡所得がある場合、所得税と住民税が発生します。
それぞれの税額は譲渡所得金額をもとに算定されるため、不動産売却後の税額について考える際は、まず譲渡所得金額を正しく算定することが必要です。
譲渡所得金額は、不動産の成約価格から、取得費や譲渡費用を差し引いた金額になります。
譲渡所得金額 = 収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)
不動産を売却した場合、不動産を「売った金額」ではなく不動産を「売った金額から諸費用を差し引いた金額」に対して課税されます。
上記の計算式をもとに譲渡所得金額を算定する際は、それぞれ以下の費用を当てはめて考えてみましょう。
収入金額:
不動産を売却して得た金額(成約価格)
取得費:
売却した不動産の取得(購入)にかかった諸費用
(物件の購入費用、仲介手数料、印紙税 等)
譲渡費用:
不動産の売却にかかった諸費用
(仲介手数料、立退料、印紙税 等)
例えば、取得に3,300万円かかった不動産を3,800万円で売却し、150万円の譲渡費用がかかった場合、譲渡所得金額は次のように算定できます。
譲渡所得金額 = 3,800万円 - (3,300万円 + 150万円)
収入金額:3,800万円
取得費:3,300万円
譲渡費用:150万円
譲渡所得金額:350万円
上記では譲渡所得金額350万円に対して、原則として所得税と住民税が課されることとなります。
一方で、不動産を売却しても譲渡所得がない場合は所得税と住民税の課税対象とならず、不動産売却後に税金を納める必要はありません。
譲渡所得がない場合の計算例を見ていきましょう。
譲渡所得金額 = 2,000万円 - (4,000万円 + 90万円)
収入金額:2,000万円
取得費:4,000万円
譲渡費用:90万円
譲渡所得金額:△2,090万円
上記では不動産の売却による譲渡所得がないため、所得税と住民税が課されることはありません。
不動産を売却して譲渡所得がある場合は、所得税と住民税を納付する必要があります。