また瑕疵担保責任と契約不適合責任には、大きな違いが存在します。それは「隠れた」という要件があるかどうかです。
瑕疵担保責任では、買主が明らかに気づくことができなかった場合に、売主が責任を負います。
一方契約不適合責任では、商品に問題がある場合には、それが隠れていたかどうかは問われず、買主が気づかなかった場合でも売主が責任を負います。
次に、瑕疵担保責任には買主側から補修や代替品の引き渡しを求める追完請求権の規定がありませんでした。しかし、契約不適合責任では追完請求権の規定があります。つまり、契約履行が契約に適合しなかった場合には、買主は追加で履行を求められるのです。
また追完請求だけでなく、代金減額請求も可能です。瑕疵担保責任でも、数量が不足している場合は代金減額請求が可能でしたが、契約不適合責任では数量だけでなく品質など契約内容と相違があった場合でも代金減額請求ができます。
そして損害賠償責任や契約解除については、瑕疵担保責任では明確に規定されていません。そのため、他の債務不履行の場合と比較したり、判例などによってケースバイケースで判断されたりします。
一方契約不適合責任では、他の債務不履行の場合と同様に損害賠償責任や契約解除が適用されます。つまり、他の債務不履行の判例を参考にできるのです。